週末はスニーカーを履いた。春を歩いた。
上から見る桜
電車に乗って代々木公園に向かう。高架を走る電車からは、桜を見下ろすことになる。車窓から見る街の中に、ちらほらと白い花が見える。この距離でみる桜はほとんど白い。
住宅街の入り組んだ空地や、団地の隙間にあるちょっとした公園、細い用水路沿いにも。この街には桜が多かったんだ。って。上から見るとよくわかる。
わたしはその桜を一瞬で通り過ぎてしまう。ほんの数本のボリュームだけど、きっとそこに住んで、そこを歩く人にとっては、いつもの(しかし特別な)桜なんだろうなぁって。
横から見るサクラ
バラ科サクラ属のサクラ。本エントリについてはソメイヨシノのことを指す。
ソメイヨシノを観察するなら、目の高さで、やはり横から見るのがいい。ルーペかマクロレンズを使いたい。横から、間近に観察する桜が、たぶんいちばんピンク色が濃い。ような気がする。
切れ味の良い花びらのフォルム。淡くピンクの色彩。それだけでなく、黄色い雄しべの花粉もしっかり確認したい。
ソメイヨシノの特徴は、花が葉っぱより先に咲くこと。そのため花弁の観察に適している。また、花が大きいことがあげられる。これはソメイヨシノの親品種オオシマザクラの特徴でもある。
花が大きく、重たいため、細い花柄(サクランボの緑のヘタの部分)では支えきれず、うつむきがちに咲くものが多い。
「桜は下を向いて咲く」と言われるのはこのためである。
(諸説あります)
下から見る桜
桜が下向きに咲く様子から、その足元に人が集まり花見をする。
そんな手前勝手なエピソードが、あんまり事実ではないものの、わたしは好きだったりする。
この本では
花見という文化は、桜が下向きに咲く特性なしでは発生し得ない
と、書いてある。
桜の花を見上げて、お酒を飲んだり、儚い美しさにため息をついたり、桜が咲いていることを理由に会いたい人を誘ったり、そんなことがしたいだけなんだよね。
花と人。その関係において、相応しいと思っている。
2018,03 晴れ
追伸
桜が下向きに咲くことについては、朝晩の寒暖差が激しく、露に濡れて花弁が重くなりがち、という説も推したい