うずのしゅげを知っていますか。
うずのしゅげは、植物学では「おきなぐさ」と呼よばれますが、おきなぐさという名はなんだかあのやさしい若い花をあらわさないようにおもいます。
宮沢賢治(以下、敬称略)の『銀河鉄道の夜』に含まれる短編「おきなぐさ」は、わたしの特に好きなエピソードです。
#本棚の10冊で自分を表現する
キンポウゲ科オキナグサ属
どうも、クリハラ(@kurit3)です。オキナグサは、わたしが好きなアネモネやクレマチスと同じキンポウゲ科に属しています。
この説明的な文章を宮沢賢治が書くと
まっ赤なアネモネの花の従兄
といった風になる。あぁ、これが文学表現ってやつか。イーハトーヴってやつか。知らんけど
また、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは、野生絶滅の高い危険性を持つ危急種(ききゅうしゅ:VS)に分類されています。
オキナグサ=翁草
このオキナグサ、漢字で「翁草」と表記する。冒頭に引用したのは、宮沢賢治が命名のおもしろさに注目した部分です。ではなぜ、オキナグサ(翁草)なのか。その理由は花と、種を観察すると見えてきます。
キンポウゲ科特有のうつむいた花や、渋い色彩(宮沢賢治はこの色を「葡萄酒の黒」と例えている)も、なんだか控えめな奴なんですよ。また、葉や茎など全体的に白い毛でおおわれています。花は次第に白い綿毛状の種子になり、風にのって飛んでいきます。タンポポの種をイメージしていただければ!
って、つらつら文章を書いても伝わらないと思うので、写真です。↓↓
銀髪のおじいちゃんっぽさから、翁草と呼ばれたのでしょう。たまにいるお洒落なじいさんっぽいですよね、若い頃モテたんだろうな〜〜って感じのジジイ。
よく探してみて
このオキナグサ、いい感じの被写体として「花」を撮る人には、なかなか見つけられない花だと思うんですよね。この時期って、オキナグサを撮らなくても、チューリップとか菜の花とか、いい感じの被写体は他にたくさんあるから。
そこはやはり宮沢賢治的な、植物への執着が必要かと思います。青空文庫にあるので、読んで、探しにいきましょう!
2017,4 晴れ