くのいちって何かいいよね #ルリタマアザミ

ルリタマアザミってすごいよね、「くのいち」っぽさが直線的に伝わる名前ですよ。

え? 伝わらない? おかしいなぁ…。じゃあ漢字で書くよ? 瑠璃玉薊って。ほらね。

深い群青色の忍法服(そんなものあるのかどうか知らない)を纏った小柄な姿のくのいちが見えてくる。コードネームは「あざみ」。おそらく、暗殺とか戦闘よりも、諜報に長けたタイプの忍者だろう。町娘に変装するのもお手のものだ。得意な武器はもちろんマキビシ、そして、忍びの基本に忠実な逃げ足の速さ。

キク科エキノプス属

キク科のエキノプスという学名を持つルリタマアザミ(こちらは和名)は、夏が盛りである。ピンポン球くらいの頭状花を次々に咲かせる。日当たりを好むが、暑さや湿気に弱いので、高原など標高がそこそこ高いエリアによく咲いている。その代わりに、寒さに強く雪の下にいても辛抱強く耐え、翌年の春にまた芽を出す。くのいちっぷりが徹底している。

瑠璃色を持つ者

夏に咲く淡い青は、とても涼しげだ。風に揺れる姿は文字通り、瑠璃色(#2A5CAA)の玉である。瑠璃とは、ラピスラズリという石(半貴石)のことだ。12月の誕生石のひとつにもあげられる。12月生まれのわたしとしてはとてもシンパシーを感じる色だ。

野鳥にも瑠璃色を持つ奴がいる、オオルリやコルリだ。こちらも日本に姿を見せるのは夏だ。暑い時期を北海道や本州で過ごし、寒くなると中国や東南アジアで過ごす渡り鳥である。

写真はコルリである。野鳥に関しては、わたしは素人同然であるし、ましてや撮影は難しかった。これが精一杯だ。

夏は忍者だった

9月に入り、ルリタマアザミの花は枯れ落ち、それこそマキビシのようになっている。コルリも、そろそろ日本を飛び立つ準備をしているだろう。くのいちのような逃げ足の速さで、夏は行ってしまったのだ。

2015,9 晴れ