花や植物の持つイメージ(わたしの偏見)というのは、感覚的というか抽象的で言語化するのが難しい。視覚的な色や形、または花の咲く時期など、今までの生活のなかで蓄積していき、無意識に植物と事象を結びつけている。共感を得やすい例として、バラは圧倒的に美人だし、ヒマワリは元気・快活、エダマメは生ビール。
以前書いた、紫色が醸し出す年上の女性ぽさや、シュンギクが醸し出す鍋感、ナデシコのトラディショナルな女性像、意識高い系のモンステラなどはあまり共感を得られないイメージだろう。今回紹介する「シクラメン」はわたしにとって圧倒的に「年末っぽさ」を連想させるのだが、どれくらいの共感を得られるのだろう。
サクラソウ科シクラメン属
シクラメンはお歳暮や年始の挨拶などに贈られるケースをよく見る。初冬から春先まで開花を長く楽しめる鉢物だからだ。「篝火花(カガリビバナ)」という和名で親しまれている。そんな年末感満載のシクラメン、原産地は意外にも地中海である。ギリシアやチュニジアの辺りと言われている。
咲く時期とお歳暮や年始の挨拶としての利用シーンが多いので「年末感」はある意味必然である。加えて、NHK紅白歌合戦における「シクラメンのかほり(布施明 or 小椋佳)」がバシッとハマっている。
かの有名な歌謡曲については、ボタニカル・ライフでいとうせいこうが考察しているので読んで貰えるといい。
シクラメンはとにかく女々しい花だと思っていた。誰でも買いやがるし、そこら中の花屋に出ているし、なんというか凡庸のきわみである。
わたしの部屋のシクラメンはおかげさまで大変元気だ。
追われる年末
シクラメンの年末っぽさを書きたかったので、今年中に書かなくてはいけない記事だったが、焦ってなんとも尻すぼみだ。反省の2015である。シクラメンの反り返った花、ビビッドな色を見て、それらが映える冷たい空気を感じると、年末だなぁと思う。寒々しいイルミネーションを見るよりずっと年末だ。だいたいさ、街路樹にLEDを巻きつけて喜ぶって美的感覚としてどうなの?樹形の美しさを見せるならLEDで縛り付けるより、下から煽りでライトアップした方がぜっt……
ありがとう2015
さて、まとめに入りましょう。2015年、クリハラタケシと私的植物生活概論が大変お世話になりました。ありがとうございます。2016年も変わらず続けていきたいと思います。みたいなブロガーっぽいことをちょっとやってみたくなった所存です。
さて、2016年の予告を少々
- まだ陶器の茶碗で消耗してるの? #ナツメ
- 1年越しのいい夫婦 #シャコバサボテン
- and more
それでは良いお年を!
2015,12 晴れ