スイートピーのやわらかな色と、花言葉をちりばめた一遍の詩であるが、短いのでサクッと読んでみて欲しい。
わたしも爽やかなポエムを紡いでみたい気持ちはあるのだが、スイートピーを見るとメンデルのことが頭から離れないのだ。
エンドウマメの花=スイートピー
スイートピーはマメ科レンリソウ属、春の訪れを感じさせる甘い香りの花である。香豌豆(カオリエンドウ)という和名で呼ばれることもある。エンドウ、つまり、えんどう豆と植物的に大変近いのである。
メンデルの法則については割愛したい。
メンデルの法則 – Wikipedia
ニュートンが樹から落下するリンゴを見て万有引力のヒントを得た、というのは恐らく事実ではない。いわゆる逸話、キャッチーなエピソードどして広まったのである。メンデルのとエンドウマメの関係は、ニュートンとリンゴの関係とは異なる。逸話や盛った話ではなく、メンデルは実際にエンドウマメを栽培し、遺伝の法則を発見したのだ。
エンドウマメを栽培しまくる
メンデルが育てたエンドウマメは、約30,000株と言われている。背の高い低い、シワ有り無しなど、その形質を1つ残らず数え約8年間記録し続けたのである。エンドウマメの栽培を通して、優性の法則、分離の法則、独立の法則を確立、生物遺伝学の近代化に貢献したのだ。
スイートピーを見るたび、メンデルを思い出す。ひたすらエンドウマメを育て、豆をカウントし、花の形質を記録するメンデルを想像すると、ちょっと怖いしヤバい。ついに発表した遺伝の法則が、広く認められるのは彼の死後16年たってからである。
彼の墓前に供える気持ちでスイートピーを買って来た。めしべが大きく露出した花は、人工受粉しやすかっただろうなぁ……。などと思うのが理系男子の嗜みである。
2015,1 雪