エッセンシャルオイル(精油)や香水など、爽やかな香りが印象的なベルガモット。わたしも好きな香りである。柑橘系の元気な香りは気持ちも上がる。ともすれば「元気さ」にステータス振りすぎて、高校生が使う制汗剤みないになりがちな柑橘系の香りであるが、その点ベルガモットは落ち着きがあって、大人の女性が使うのにも最適だと思っている。
うちのベランダで咲いたベルガモットであるが、どうも違うようだ。大人女子(?)にもぴったりな柑橘系のベルガモットと、ファンキーな花が咲くこのベルガモットは全く別物なのである。
ややこしいじゃないか。
写真のベルガモットの花はハーブである。若い葉が、柑橘のベルガモットオレンジっぽい香りがすることから、ベルガモットと呼ばれる。ネーミングセンスが直線的過ぎるだろ。確かにものを見れば全く別物であることは簡単にわかるのだが、ややこしすぎてもう。
というようなクレームが各方面から入ったかどうかは知らないが、このベルガモットは、学名のモルダナと呼ばれたり、花の色と形状からタイマツバナと呼ばれたりする。
このタイマツバナは咲いた花を切っていくと、次々と蕾を出してくる。また、痩せた土でも育ち、そこそこの耐寒性も持っている。剪定にも強く、種や挿し芽で増やすことも容易である。この辺の特徴はとてもハーブ的な丈夫さを感じる。名前だけが独り立ちできていないのだ。
スノードロップとスノーフレーク
植物にかぎらず動物も、名前がややこしい奴が多い。容姿や生態的特徴がちょっと似ていようものなら、◯◯モドキだの、ニセ◯◯だの。他には、アヤメやショウブ、アイリスなんかのカオスっぷりは目も当てられない。流通名、学名、和名、品種名など、ハマったら抜け出せないメビウスの輪的な恐ろしささえ感じる。
その点、スノーフレークとスノードロップの差別化は美しい例だと思う。咲く時期になって覚えていたら詳しく書きたいと思うが、どちらも冬の終わりに白い小さな花を咲かせる。背丈や花のサイズ感も似ているので確かにややこしい。が、ニセもモドキもついていない。それぞれ、スノーフレークであり、スノードロップという美しい名がある。このセンスはぜひ見習いたいものである。
みんなちがってみんないい
などとつまらないことを言うつもりは無い。わたしたち人間側から見たときにややこしいだけであって、彼ら彼女らからしたら、名前などどうでもいいのかもしれない。やっつけな名前をつけられたベルガモット(モルダナ)だって、別にイジけたりしていないはずだ。ネーミングのセンスがどうのこうのと言っているのが、少し恥ずかしい。
2015,7 晴れ