トマトの横にはバジルを植えてある。青い空、白い雲、赤いトマト、バジルの葉、海こそないがわたしの畑はイタリアなのである。先日紹介したトマトが赤く熟したら、スライスしたトマトともめん豆腐を交互に並べて、バジルを散らし、オリーブオイルと塩コショウ、レモンを絞ってカプレーゼ風豆腐サラダを作ろうと思っている。
誤解しないでいただきたいのだが、そんなカッコつけのためだけにバジルを育てているのではない。コンパニオンプランツという言葉をご存知だろうか。共栄作物または共存作物などと呼ばれ、並べて栽培すると生育が良くなる組合せがあるのだ。そして、このバジルとトマトがコンパニオンプランツとして比較的メジャーなのである。
バジルの生育が旺盛である
バジルはベランダ園芸や初心者向けのハーブとして必ず挙げられる。暑さに強く、水をやるとどんどん大きくなるのが育てるのに楽しい。そして、食べても美味しいからである。わたしもほぼ毎年バジルを育てていたが、ずっとプランターだった。今年、初めて畑に植えてみたのだが、その発育っぷりに驚いている。やはり畑、大地と太陽の力は偉大であると再認識したのである。
ベランダで育てるのと異なり、畑で育てるとなると、虫がつきものである。あいつらは、柔らかくて緑色のものなら何でも食い散らかすので始末が悪い。カエルは許す。一方で、シソ科のハーブであるバジルは、コナジラミやアブラムシを遠ざける効果があると言われている。なので、それらの虫からトマトを守るために、バジルと一緒に育てるのだ。これがコンパニオンプランツたる所以である。
それって本当なの?
実際に畑でそだててみれば分かるが、バジルを植えたくらいでトマトを虫から守れたら苦労しないのだ。圧倒的な奴らの人(虫)海戦術を前に、バジルはほぼ無力なんじゃないかと感じている。コンパニオンプランツというのも、必ずしも科学的な根拠が立証されているわけではないものがほとんどである。「ばあちゃんの知恵袋」程度のものなのかもしれない。わたしは「ばあちゃんの知恵袋」的な、なんかよくわかんないけどいい感じのものがけっこう好きなので、迷いなく隣に植えたのである。
何より色が良い。真っ赤なトマトと緑のバジルの補色関係は目に鮮やかだ。わたしは畑で地中海を感じながら、美味しいサラダにするのをかなり具体的なレベルでイメージしている。そのため、ちょいちょい畑の様子を見に行くし、虫や病気などの異変に素早く気づくことができる。そういった意味でのコンパニオンプランツとしては、とても効果的なのだ。結果オーライである。
2015,7 雨