京の夏は暑うござんす #万願寺トウガラシ

万願寺トウガラシを収穫してきた。

トウガラシ部分はいいとして、『万願寺』って何だよ、と。

郷土野菜の頂点「京野菜」

万願寺ってどこだよ、となるだろう。京都府舞鶴市万願寺地区で生まれたのが万願寺トウガラシと言われている。分厚く甘みのある果肉から、万願寺甘唐などとも呼ばれている京野菜である。血統は明らかではないが、形状、肉質などから伏見系トウガラシとカリフォルニア・ワンダー系との交配と推定されている。ちなみに多摩都市モノレールの万願寺駅とは直接の関係はないようだ。

地名等が品種名に付いた郷土野菜はなかなか楽しげである。わたしが今思いつくものだけでも、下仁田葱、谷中生姜、金時人参、桜島大根、加賀蓮根などなどたくさんある。もはや言った者勝ち、みたいな空気もある中で京野菜のブランド力は強い。万願寺トウガラシの他には、聖護院蕪、九条ネギ、水菜、加茂茄子など、首都圏のデパ地下だけでなく、一般的なスーパーでも手に入るものが多い。さすが千年の都だ。
参考:ブランド京野菜(京のブランド産品)/京都府ホームページ

ナス科トウガラシ属

小さく可憐な花が咲いては枯れ、ねじくれたフォルムになっていく様子がとても面白かった。栽培も簡単だった。苗を植え付ける時に簡単な支柱を添えてやり、あとは太陽と雨と土に丸投げしていたが、すでに15本以上収穫できた。売り物に比べれば型が小さいけれど、ひとり暮らしの食卓には充分である。

熱したフライパンで炙り、焦げ目をつけて、かつお節と醤油で食べるのがわたしお気に入りだ。

シシトウよりも肉厚で柔らかく、食べ応えがある。いわゆる「当たり」みたいに辛いものにヒットしたこともない。ビタミンAやビタミンCを豊富に含み、食欲を促すカプサイシンも含んでいる。夏バテ対策に持ってこいの野菜である。スーパーなどで見かけたら是非とも手にとって欲しい。

あぁ、京都の暑い夏を思い出す。

2015,7 晴れ